この仕事の裏話・・・その3
いつ何時、どんな知識が必要となるかわからない。
これが翻訳の世界です。
深みのある訳、的確な訳に仕上げられるかどうかは、翻訳家自身にどの程度のストックがあるかにかかっているといえます。
それだけに、どんなものにも興味を持ち、さまざまな情報に敏感であること、常に好奇心を失わず、あらゆる知識を吸収しようとする姿勢を保ち続け、知識のストックを増やし続けることが大切になってくるのだと思います。
ベストセラー本に翻訳者として名前が載る。
あるいは、大ヒット映画に字幕翻訳者として名が出る。
翻訳の仕事をこのような華やかな面だけでとらえている人は、後で大きく後悔するはずです。
というのも、訳書に名前が載る、映画に名前が出るというのは、あくまで仕事の結果にしか過ぎません。
その過程は、非常に地味で孤独な作業ばかりなのだと思います。
翻訳作業の90%は机に向かい、辞書と首っぴきでひたすら原文を日本語文章に置き換えることに費やされます。
残りの10%も、調べものをするために図書館や書店に足を運んだり、電話で不明点を原作者に問い合わせたり、スムーズに翻訳を進めていくうえでの調査が主体となります。
翻訳をやる人は、本を読むことが苦にならない人がいいんですね。